東京商工リサーチは7月14日、「2022年上半期『後継者難倒産』の状況調査」の結果を公表しました。
2022年上半期(1-6月)の後継者不在による「後継者難倒産」(負債1,000万円以上)は、224件(前年同期比17.8%増)と急増しました。調査を開始した2013年以降の上半期では、2020年同期の195件がこれまでの最多でしたが、これを抜き最多記録を更新しました。倒産件数全体(3,060件)の7.3%を占めており、後継者問題が事業継続の重要課題となっていることを示すものと言えます。
要因別では、代表者の「死亡」が122件(構成比54.4%)と最も多く、次いで「体調不良」が71件(同31.6%)で、この2要因で「後継者難倒産」の9割近くを占めています。
資本金別では、1千万円未満が128件(前年同期比28.0%増、構成比57.1%)と約6割を占める一方、1億円以上の企業でも4年ぶりに2件の倒産が発生しました。中小・零細企業だけでなく、中堅企業にも後継者問題が広がりつつあると見られます。
2021年の経営者の平均年齢は62.8歳で、経営者の高齢化が進む一方、多くの中小企業では後継者の育成や事業承継の準備が先送りされているのが現状です。長引くコロナ禍で業績回復が遅れ、円安や資源高、人手不足などが重しになるなか、後継者の不在が中小企業の事業継続への高いハードルになりつつあります。
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