政府は5月31日、令和3年度「ものづくり基盤技術の振興施策(ものづくり白書)」を閣議決定しました。「ものづくり白書」とは、「ものづくり基盤技術振興基本法」第8条に基づき国会に毎年報告する年次報告書で、政府がものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策を取りまとめたものです。この白書は、経済産業省・厚生労働省・文部科学省の3省が共同で作成しており、今回が22回目となります。
ものづくり人材の雇用と就業動向等について、製造業の就業者数は約20年間で157万人減少し、全産業に占める割合も3.4ポイント低下しています。製造業における若年就業者数は、約20年間で121万人の減少となりましたが、製造業の全就業者に占める割合は、2012年頃から25%程度で推移しています。一方、高齢就業者数は、約20年間で33万人の増加となり、全就業者に占める割合は、2018年頃から9%弱で推移しています。女性就業者数は、2002年の403万人から2021年の313万人と、約20年間で90万人減少しました。全就業者に占める割合は、2009年頃から約30%で推移しています。
ものづくり人材の能力開発の現状について、人材育成の問題として「指導する人材が不足している」とした事業所が6割を超えています。こうした中で、技能継承のため、「退職者の中から必要な者を選抜して雇用延長や再雇用を行い、指導者として活用している」事業所の割合が約6割となっています。
ものづくり人材に係るデジタル技術の活用状況について、デジタル技術を「活用している」とした企業が67.2%にのぼり、そのうち5割を超える企業が「生産性の向上」の効果が出ていると回答しています。デジタル技術の活用に向けたものづくり人材確保の取組としては、「自社の既存の人材に対してデジタル技術に関連した研修・教育訓練を行う」が約5割。また、人材育成等の取組については、「作業標準書や作業手順書の整備」、「OFF-JTの実施」と回答した企業がそれぞれ約4割となっています。
(報道発表資料/厚生労働省)
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