厚生労働省は6月24日、令和3年度「過労死等の労災補償状況」を公表しました。厚生労働省では、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスが原因で発病した精神障害を「過労死等」と定義し、その状況について、労災請求件数や「業務上疾病」と認定し労災保険給付を決定した支給決定件数などを、年1回、取りまとめています。
令和3年度の「過労死等」に関する労災請求件数は3,099件(前年度比264件の増加)、支給決定件数は801件(同1件の減少)でした。
脳・心臓疾患に関する事案については、請求件数753件(前年度比31件の減少)、支給決定件数は172件(同22件の減少)、うち死亡件数は57件(同10件の減少)でした。業種別では、「運輸業・郵便業」が請求件数、支給決定件数ともに最多となっており、その他、「建設業」、「卸売業・小売業」、「製造業」、「医療・福祉事業」で多い傾向にあります。支給決定に至った事案における時間外労働時間の傾向を見ますと、「評価期間1か月」では「100時間以上~120時間未満」、「評価期間2~6か月における1か月平均」では「80時間以上~100時間未満」が最も多くなっています。
精神障害に関する事案については、請求件数2,346件(前年度比295件の増加)、支給決定件数は629件(同21件の増加)、うち未遂を含む自殺の件数は79件(同2件の減少)でした。業種別では、「医療・福祉事業」が請求件数、支給決定件数ともに最多となっており、その他、「製造業」、「卸売業・小売業」、「運輸業・郵便業」で多い傾向にあります。支給決定に至った事案を出来事別に見ますと、「上司等から身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」(125件)、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」(71件)、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」(66件)の順に多くなっています。
(報道発表資料/厚生労働省)
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