厚生労働省は12月23日、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」の改正を公布し、タクシー・ハイヤー、トラック、バスの運転業務別のリーフレット等を公表しました。改正後の改善基準告示は、自動車運転業務の時間外労働に年960時間の上限規制が設けられる令和6年4月1日から適用されます。
自動車運転者の労働時間等については、法定労働時間や時間外労働の上限規制とは別に、改善基準告示により拘束時間、休息期間等の基準が設けられています。しかしながら、運輸・郵便業においては、過労死等のうち脳・心臓疾患の労災支給決定件数が全業種で最も多い等、依然として長時間・過重労働が課題となっていました。一方、働き方改革関連法により新たに時間外労働の上限規制が設けられましたが、5年間の猶予期間を経た令和6年4月1日から、自動車運転の業務にも時間外労働の上限を原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別の事情がある場合でも年960時間とする等の規制が適用されることになります。こうした状況の下、今回の改善基準告示の改正が行われることとなりました。
改善基準告示改正のポイント
▶タクシー・ハイヤー運転者
・日勤者の1か月の拘束時間
299時間 → 288時間
・日勤者の1日の休息期間
継続8時間 → 継続11時間を基本とし、継続9時間以上
・隔日勤務者の2暦日の休息期間
継続20時間 → 継続24時間を基本とし、22時間以上
▶トラック運転者
・1年の拘束時間
3,516時間(年換算) → 原則3,300時間・最大3,400時間
・1か月の拘束時間
原則293時間・最大320時間(月換算) → 原則284時間・最大310時間
・1日の休息期間
継続8時間 → 継続11時間を基本とし、継続9時間以上
▶バス運転者
・1年の拘束時間
原則3,380時間・最大3,484時間(年換算) → 原則3,300時間・最大3,400時間
・1か月の拘束時間
原則281時間・最大309時間(月換算) → 原則281時間・最大294時間
・1日の休息期間
継続8時間 → 継続11時間を基本とし、継続9時間以上
(自動車運転者の改善基準告示/厚生労働省)
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