【特集】令和7年度の最低賃金は全国平均1,121円
- 川西 康夫

- 2025年9月23日
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~兵庫県1,116円、大阪府1,177円に決定~
社会保険労務士・人的資本経営コンサルタント 川西 康夫
厚生労働省は9月5日、全国47都道府県の地方最低賃金審議会が答申した地域別最低賃金の改定額を取りまとめ公表しました。改定額の全国加重平均は1,121円(昨年度1,055円)で、昨年度からの引上げ額66円は過去最高額となりました。改定額の最高額は東京都の1,226円、最低額は高知・宮崎・沖縄各県の1,023円となり、すべての都道府県で1,000円を超えました。最高額と最低額の差額は203円、最高額に対する最低額の比率は83.4%まで改善し、その差が縮まっています。改定後の最低賃金の発効日は例年10月が大半でしたが、今年度は10月の発効は20都道府県にとどまっており、11~12月の発効が21府県、年明けの1~3月の発効も6県と大きく様変わりしています。
■兵庫県は1,116円、大阪府は1,177円に決定
近畿地方各府県の地域別最低賃金改定額を見ますと、兵庫県は1,116円で昨年度の1,052円から64円の大幅な引上げとなりました。近畿地方における最高額は大阪府の1,177円、最低額は和歌山県の1,045円で、その差は132円、比率は88.8%となっています。

近畿地方各府県における改定後の最低賃金の発効日は、昨年度はすべての府県で10月1日でしたが、今年度は府県によってバラつきがあり、兵庫県が最も早く10月4日、大阪府が10月16日、京都府が最も遅く11月21日となっています。
発効日以降は改定後の最低賃金が適用されることになりますので、現在支給されている賃金(時給額または日給額・月給額の時給換算額)がこれを下回る場合は、遅くとも発効日から最低賃金以上の金額に改定する必要があります。ただし、給与計算期間の途中での賃金改定は計算が煩雑になるため、直前の賃金締切日の翌日から前もって改定するケースが多いのではないかと思います。
■日給制・月給制の場合は時給換算額の算出が必要
最低賃金は時給額を基準にしているため、賃金形態が時給制の場合は、最低賃金を下回っているか否かのチェックは難しくありません。一方で、賃金形態が日給制または月給制の場合、その日給額や月給額を見ただけでは、最低賃金を下回っているか否か判断できないケースが多いため要注意です。このような場合は、まず時給換算額を算出して、その金額が最低賃金を下回っていないかをチェックする必要があります。時給換算額は、日給額または月給額を所定労働時間で割って算出します。日給制の場合、日給額を1日の所定労働時間で割るだけですのでそれほど難しくありませんが、月給制の場合は計算が少し複雑になります。
月給制の場合、月給額を1か月の平均所定労働時間で割って時給換算額を算出しますが、この「1か月の平均所定労働時間」の計算がポイントになります。なぜ「平均」なのかと言いますと、月によって暦日数(28日~31日)が違ったり、祝日の多い月があったりして、1か月の出勤日数が一定でないケースが多いためです。そこで、年間の12か月を平均して、1か月当たりの所定労働時間を算出するのです。計算方法は以下のとおりですので、空欄を記入して計算してみてください。

例えば、年間休日数125日(年間出勤日数240日)で1日の所定労働時間8時間の場合、計算すると1か月の平均所定労働時間は160時間になります。
■最低賃金の計算に算入しない賃金にも要注意!
月給額を1か月の平均所定労働時間で割ると時給換算額を算出することができます。この際、月給額に最低賃金の計算に算入しない賃金(皆勤手当・通勤手当・家族手当)が含まれている場合、それらの金額を除いて計算する必要がありますのでこちらも注意が必要です。一方で、役職手当や資格手当、住宅手当などその他の手当は算入して計算することになります。

この他、臨時に支払われる賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)、時間外・休日・深夜の割増賃金も最低賃金の計算には算入しませんのでご注意ください。
今回の改定は大幅な引上げになりますので、日給制や月給制の従業員についても、気付かないうちに最低賃金を下回っていた!ということがないよう、事前にチェックして頂きたいと思います。(了)



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