日本商工会議所・東京商工会議所は5日、「最低賃金引上げの影響および中小企業の賃上げに関する調査」の結果を発表しました。
昨年10月の最低賃金引上げ(全国加重平均28円)を受け、最低賃金を下回ったため賃金を引上げた企業の割合は40.3%。前年度の調査と比べて21.4ポイント増加しました。現在の最低賃金額の負担感については、「負担になっている」と回答した企業の割合は65.4%。業種別では、コロナ禍で大きな影響を受けている「宿泊・飲食業」(90.9%)が最多となっています。
今年の最低賃金額の改定について、「引下げるべき」もしくは「引上げはせずに、現状の金額を維持すべき」と回答した企業の割合の合計は39.9%と、前年調査から16.7ポイント減少しました。一方、 「引上げるべき」と回答した企業の割合は、前年調査から13.6ポイント上昇して41.7%となり、 「引下げ」と「現状維持」の合計を上回りました。
2022年度に「賃上げを実施予定」と回答した企業の割合は45.8%でした。また、「賃上げを実施予定」と回答した企業のうち、約7割が「業績の改善がみられないが賃上げを実施(防衛的な賃上げ)予定」と回答しています。「賃上げを実施予定」と回答した企業を業種別でみると、「情報通信・情報サービス業」(54.4%)、「製造業」(52.5%)、「建設業」(51.4%)で高くなっている一方、「運輸業」(27.0%)、「宿泊・飲食業」(24.2%)では2割台にとどまり、業種によって大きな差が出る結果となっています。
最低賃金の引き上げが経営の負担となる一方で、人材確保のためにはさらなる賃上げもやむを得ないという事情がうかがえます。
(日本商工会議所/「最低賃金引上げの影響および中小企業の賃上げに関する調査」の集計結果について)
(調査結果)
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